※ 現在は 四段階制から二段階制に変更されています。
(総務庁の規制緩和?推進3ヶ年計画により変更されました!???)
普通二輪免許所持の場合、第一段階5時間 第二段階7時間で最少必修時間数は同じです。
- ○月×日
- 職場から5キロの自動車学校で大型自動二輪の教習が始まったことを聞き、資料を取り寄せ電話で仮申し込み。
- ○月○日
- 入校説明に出向く。入校式でもあるのかと思えば、受付の女性が本日入校の2人の前で予約の取り方やキャンセルのしかたなど事務的な説明 のみ。ちなみに前入金の全費用約11万円のうち4万円が入学金。入学金は車種や期間にかかわらず同額、高い。最低教習時間は12時間であるが、たいてい
20 時間近くかかるという。隣の人は10代の筋骨たくましい青年。 当方は今年40代に突入、体重60キロ、痩せ型でこれといったスポーツもやっていな
い。
自動車学校の中は茶髪やだぼだぼのジーンズの若い人ばかり。平均年齢は二十歳前であろうか。鏡に映る自分を見て、たしかにここでは高齢者だと感じる。
- ●月▲日(第一段階の1)
- 初めての日、仕事を終えて夜8時からのクラスに参加した。二輪講習の部屋で生徒10数名、時間になると起立、礼! 中学校以来の挨拶で びっ くり。その後、教習が一番進んでいる者が、安全運転の誓いの言葉を述べ、全員で唱和する。こういう儀式や標語は本当に事故防止に役に立っているんだろう
か、高速道路なん交通安全標語の展覧会だけど、、などと雑念がよぎる。そのかわり昔の中型二輪免許で通った学校のような準備体操はない。担当の指導員ごとに分かれ講習
開始。 今日初めて講習を受ける二人はW指導員。バイク歴を聞かれ早速二輪置き場へ。途中、ヘルメットの持ち方を注意される。買い物袋のようにぶらぶらさせて持っ
てはいけない、片手で胸に抱えてもつ、それが正しいライダーの持ち方と。
始業点検の後、外周コースを数周走行、初めて乗るバイクはCB750。転倒バイクを起こす練習があるかと思ったらそれは省略と。(なぜ省略したかは後で十分わかることになる、、、、、)。外周走行ではでカーブが膨らんでしまいセンターライン
オーバー。そのあと、4輪用の大きい8の字路を周回、そして8の字コースをひょうたん型に周回。途中パイロンを数回引っかける。これが15分くらい続き、
その後1車線半くらいの幅のコースで直線とUターンの長円型の繰り返し、いま乗っている400でもUターンは苦手なのに、初めての大型車ではできない。足
をついてしまったりコースアウトしたり。
今日一番注意されたのは、ブレーキ操作。今までほとんどいつも前ブレーキを使っていた。これは非常に危険であるらしい。小回りの途中で前ブレーキを使い
バランスを崩して倒れそうになる。
30分以上一度も休憩することなく、8の字、小回りを繰り返すのはかなりの体力を消耗。次回からが心配である。
講習後、各指導員から個々に口頭で指導。第一段階は基本的な操作ができれば良く、中型を持っている人はほとんど1時間で終了するのである。W指導員は、
ブレーキングに非常に悪い癖がついていて危険であることを繰り返し説明してくれる。うぅーーんと唸りながら、取りあえず第一段階終了の印を押してくれた。
欄外にブレーキング操作注意と書かれた。
講習後予約受付で次回予約。2時間連続でとりますかと言われたので、そうした。
- ●月■日(第二段階の1)
- 夜7時からのクラスに参加。今日は初めてスラロームをやる日である。スラロームコースで指導員が何回か見本走行を見せてくれる。スラ
ロームはクラッチを切ってやる方法とアクセルワークだけでやる方法があるが、ここの自動車学校では他のテクニックにも応用が利くように前者でやるとの説
明。よく左手の動きを見るようにと。教官の左手は車体が左右に傾くのに合わせてリズミカルにクラッチを切ったりつないだりしている。自分の番。とりあえず
走ってみるとクラッチを切るタイミングがわからない、そのままハンドルで左右に振っていると3つめのパイロンですでに接触。30分近く、スラロームばかり
やっていると腕が棒になってくる。
スラロームコースには入り口と出口に赤外線センサーがついていて、通過時間が通過毎に電光掲示される。第二段階中に6秒を切るのが目標といわれるが自分
は7秒台、それもパイロンを引っかけないだけでも苦労している。
ちょっとした拍子に二本指でブレーキをかけたらすぐに指摘された。ちなみに白バイの技術コンテストなどではどんな走行の時でも前ブレーキは4本指だ
そうである。
- ●月■日(第二段階の2)
- 連続教習の2時間目。前の教習が終わったばかりで体は重く、腕は棒、肩はかちかちに凝っているのがわかる。教官一人に生徒二人。再びス
ラロームから始まる。教官についてスラロームコースを何度も走る。このコースは前の時間のコースとは別で、田舎の狭い二車線道路といった幅で、はみ出すと
そこは芝生。スラロームの後すぐにUターンして戻り、またUターンしてスラロームのくりかえし。はみ出しの恐怖がありUターンができない。ここでいつも前
ブレーキを使ってしまう悪い癖がでて、転倒。直線以外では前ブレーキを使ってはいけない、前ブレーキは非常ブレーキであると何回もいわれたが、怖くなると
指が動いてしまう。Uターン中倒れそうになってアクセルを握ったらあっというまに芝生の中に。前の時間で腕の筋肉が堅くなって微調整がきかない。
『いったいどこで中型の免許を取ったの』『●●の某自動車学校ですが、、、』
自分が15年前に通った自動車学校では、一度も教官の後をついて走ったことがなかった。初めの日に8の字をやった以外はすべてコース走行で、ここのよう
にパイロンを使った練習やUターンなど一度もなかった。コースさえ間違えなければほぼ規定時間で免許が取れる所だった。今それが災 いしている。
- ●月▲日(第二段階の3)
- 徹夜仕事の後の教習は乗る前からふらふら感があり心配である。始業点検を終え教官の後を追走すると、第三段階の教習生も一斉に走り出
す。まちがった教官についてしまったかと思い途中で戻ると、どうしたんだと別の指導員が寄ってくる。他の段階の教習生とはじめは一緒に走行するのであっ
た。しょうがないなという顔をしながら、その指導員が先導して外周を走ってくれる。
その後一対一でパイロン走行。スラローム用のコースを使って、指導員の後をついて走る。初めは前回と同じようにゆっくりジグザグに走っていたが、突然、
ぐるりとパイロンを一周したり、スラロームを逆に大きく回ったりし始める。当然ついて行けず、足つき数回、転倒1回。だんだん難しくして、ついて行けなく
なったところでその生徒の技量を判断するようだ。
- 後半は、一本橋と波状路。一本橋は特に見本走行もない。コースにはデジタル時計がついていてコース前方に表示されている。初めは10秒
を目標に、最終的に12秒で渡れるようになれば2段階はパスという。取りあえずやってみると、5メートルも進まないうちに外へ落ちてしまう。数回失敗した
後、取りあえず7秒でもいいから通過することからやるようにと指示。10回くらい練習して最後には10秒くらいならクリアできるようになる。中型と違って
体の重心を左右に振っても重い車体は動かないので小刻みにハンドルを動かしてバランスを取るようにと言われる。多少前傾の方が腕に余裕ができて細かい操作
がしやすい。「大型はトルクがあって、ふらついても推進力ですぐに立て直すことができるから、むしろ低速走行が簡単にできる」のだそうだ。
波状路を前の時間にやっていないというと驚いて残り時間で指導があった。普通の生徒は2段階の2時間目に履修しているそうだ。見本を
見せてくれる。ニーグリップを効かせタンクをはさんだ膝の上に腰が来るような前傾姿勢で、山を乗り越える所でクラッチを継ぎ推進力で乗り越え、越えた直後
にブレーキで減速、これを繰り返す。やってみるとこれが難しい。クラッチを継ぐと数段吹っ飛んでしまい、減速するとふらついてコースはずれかエンスト。
たった2回やって本日はおしまい。
指導員は毎回変わるのだから、個人の進度を記録に残しておいてもらいたいものである。
- ●月▲日(第二段階の4)S指導
- 連続の2時間目。これからは連続2時間はやめよう。50分間、一度もバイクから降りることなく、上着の袖のボタンを直すこともできず
走っていると、ほとんど両腕は棒のようになる。特に、微妙なクラッチワークが必要な左手指の感覚が鈍くなってくる。これでは細かい操作ができない。
例によって、外周走行の後、8の字のコースを走る。実際は8の字ではなく、ひょうたん型に走るので難しい。8の字では5人で走行すると交叉でぶつかって
しまうからであろう。くびれたところでパイロンを何回か引っかけた。
- そのあと、コースのパイロンの間をほとんどUターンするようにくねくねと走行。小さな円弧で回れず、転倒。右足が車体と地面に挟まれ激
痛。集団について行けず、最後尾になる。
千鳥走行は、さらに難度が高くなり、途中コースアウト二回。
- その後。スラローム。もう情けなくなってくる。ぎくしゃくしながら通過するのがやっと。
S教官は、走りが他の教官とは違う。同じバイクでもとても軽そうにヒラヒラ動く。走りが違う。この違いはなんだろう。
教習後の指導で、もっと思い切って倒しこむ事が必要といわれる。倒し込んだ直後にトルクをかけて起こすのであるがこの微妙なコントロールが難しい。一本
橋は、体をくねらせず、ハンドルを細かく動かしながら調節するようにと。「もっと練習しましょう」これは、第二段階の見きわめ不合格の言葉である。
- ●月□日(第二段階の延長その1)A指導員
- 二人で教習。二人とも第二段階の延長生。発進の時に、右足をついていたら、『どんな場合でも右足をついて停止していることはなー
い』としかられる。外周走行はいつもより速い。ついで八の字のひょうたん走行。ひょうたんのくびれの所で接触。そのあと、千鳥走行。思いきり倒し
てみると、そのまま転倒。スラロームは、6秒を割れない。だんだん円弧が大きくなり、最後のパイロンに接触。一本橋は初めの1回がうまくいかなかったが3
回に2回は成功するようになった。波状路はちょっとアクセルを吹かすと、急に発進し体が後ろに残ってしまい、うまく行かない。
下図の超低速小回りの課題を初めて練習。ここはハンドルを最大に曲げて押し歩いてやっと曲がれるほどの狭い幅のコースで、外側は芝生。教官について
楕円形に走行。あまりの狭い幅に恐怖感。カーブの途中で曲がりきれず急ブレーキで転倒。もう一人の教習生も足つきして何回も止まっている。かかととすねに
擦り傷多数。最終的にはここをJの字と8の字に発進、Uターン、停止を低速で繰り返せるようにするそうだ。時間が来て、車庫へ戻る途中、今まで一回も通っ
たことのないクランクを通り、パイロンをなぎ倒す。当然第二段階の終了はまだ。
- ●月▲日(第二段階の延長その2)F指導員
- 今日はF指導員。外周のあと、8の字コースに入り、パイロン小回りの連続練習。ウィンカーをつけたまま走っていたら、「こらーっ、つ
けっぱなしだぞー」と怒鳴る。怒鳴らなくても普通に言えば人は理解できるものである。その後全員でスラロームへ行き、連続練習。3段階以上の人は途中から
一本橋、波状路へ行き、2段階の二人だけスラロームに残される。教習生の段階はゼッケンの色でわかるようになっている。F指導員について千鳥スラローム、
不規則小回り等を走る。途中回りきれなくなりパイロンを一つ抜かすと、また大声で怒鳴る「どうしてちゃんとついてこんのだ!」。ついて行けるなら自動車学
校
になぞ来てるものか。パイロンを引っかけるとまた怒鳴る。人の失敗を見つけて怒鳴るだけなら、誰でも指導員になれる。
狭路の小回りでも足をつく度に怒鳴る。この指導員も昔このように罵声を浴びせられながら育ったのだろう。今日は、一日気分が悪くなった。
- ■月★日(第二段階の延長その3)S指導員
- 何となく、乗る前から本日で第二段階を終了する気がしない。外周、パイロンコース、スラロームと連続で約30分、4-5人一緒に走る
が、指導員はしっかり見ているようだ。第3段階の小柄な女性が前を走っているが、この人はパイロンコースでは自分より苦労している。よく第二段階を終了し
たものだと思う。
最小回りの練習で何回か足つき転倒、かかとを挟まれ痛い。S指導員は、後部座席に私を乗せて見本を見せてくれる。小回りの走行に二種類ある。バンクさせ
ての小回りと、ほとんど倒さずにハンドルを大きく切ってバランスを取って回る小回り。微妙な推進力でバランスを取ることが、今まで自分がやっていなかった
ことである。中型バイクでおおざっぱな乗り方をしていてはあまり気がつかないことであった。S指導員の説明はいつも理論的でなぜそうしないといけないかを
説明してくれる。左足先をレバーの下に入れたまま走っていたら、カーブで転倒したときに車体と一緒に引きずられてしまうから危険なのだと説明してくれた。
某教官だったら怒鳴るだけであろう。 今日も最後は、「もっと練習しましょう」
- ■月●日(第二段階の延長その4)I指導員
- 多少確実性はなくても、一通りの課題走行を9割がたこなせて、他の教習生たちと一緒に無理なく走行できるようになるのが第二段階の終了
基準であるという。一本橋だけは12秒以上で通れるようになった。ただし練習の1本目はうまく行かないことが多い。波状路で二回連続でエンストしてしまっ
た。これを見られたので今日の合格はない。教官はアクセルをウィンウィンとふかして、微妙な半クラッチで推進力を調整している。自分は半クラッチの感覚が
不確かなので、アクセルで調整しようとしてエンストする。
スラロームは6秒をなかなか切れない。クラッチワークがぎこちない。クランクはなるべくバイクをバンクさせずに回ることが必要とされる。何とか通過はで
きるが、ふらついている。クランクを出るところが左右の視界が悪く転倒してしまった。
今の自分で、苦手な順に、狭路小回り、パイロンのジグザグ走行、波状路、スラローム、クランク、一本橋。
- ■月▲日(第二段階の延長その5)S指導員
- 徹夜仕事の翌日の講習はつらい、最初の8の字コースひょうたん走行で、前輪をパイロンの台に乗り上げそのまま流れて大転倒。革のジャ
ケット(バイク用でないもの)の肘が破れ血がにじむ。バイクはバックミラーが破損。教習車を取り替えてもらう。これだけのことをするともう決して今日での
終了はない。(後日記:8の字で外側のパイロンに前輪が触れるのは、視線の位置が悪いのです。前輪が踏まないかと心配し
て視線が前輪のすぐ近くに来てしまうと、さらに弧が膨らんでしまいます。試しに、広いところで8の字の練習をしながら目線を前輪のすぐ近くに置くとわかり
ます。)
次回予約の紙に「単独」と書き込まれる。一対一教習のことらしい。教える側もそろそろ心配になってきたようだ。
- ■月○日(第二段階の延長その6)I指導員
- ベテランの指導員。いつもにこにこしていて怒ったところは誰も見たことがない。一通りの走行の後、一番苦手な狭路Uターンスタートス
トップ繰り返しから始まる。バランスを取って一速の半クラッチで走行、不思議とうまく行く。10回くらい連続でうまく行く。いつもこの練習は一日の最後に
左手が疲れてきた頃にやっていたので、微妙なクラッチ操作ができなかったのかもしれない。二段階の終了コースを2回走行。波状路でバランスを失いコースア
ウトした他は一応通過。筋力のない私の場合、練習しすぎると腕が疲れてかえって操作ができなくなるようだ。指導員の差って確かにありますね!。でもこの自
動車学校は二輪は教習生が指導員を選べない。
スラロームのぎごちなさを指摘されたが、やっと二段階終了!
- ●月▲日(第三段階の1)Y指導員
- 今日から青いゼッケンの三段階。練習内容は前半は二段階と変わらない。後半急制動の練習をする。4速まで使って40キロのスピードで進
入、9-13メートル(だったかな?)以内で止まる。一回目は後ろブレーキがロックししてしまった。一回制動練習をする度に、外周を走って戻るのは効率が
悪い。ここは二輪車専用の教習所ではなく、コースも広くのろのろ運転の4輪が多いので、単一課題の練習には時間のロスである。前ブレーキだけだと制動距離
が長くなる。後ブレーキのかけ具合がポイントのようである。
- ●月◎日(第三段階の2)A指導員
- 練習に使う大型バイクは8台あるが、それぞれ微妙にクラッチのつながる位置やアクセルの遊びの幅が違う。まだ自分が下手だということな
のだろうが、波状路などでその違いのために苦労することがある。今日は体があまり疲れていないせいか、だいたい大きなミスなくうまく行った。
- ●月▲日(第三段階の3)Y指導員
- 今日は3段階の課題コースを走って見極めの日。前半はいつもの練習を行い、残り時間でコースを二回走る。指導員一人に生徒二人である。
どうしたことか、急制動で前輪ロック。それが数回繰り返してもその度にロックしてしまう。「こういう人も珍しいね、後輪ロックする人は多いけど」、など
と指導員に言われ、今日は見極め不合格、急制動以外は問題ないとのこと。隣の人は合格。またどんどん抜かされて行く。ちなみに3段階での延長は珍しいそう
だ。
- ●月■日(第三段階の延長その1)F指導員
- 今日は一番苦手なF指導員。この人は教習生の失敗を大声で怒鳴るだけで、技術的なことは何も言わない。それでいて、おまえの性格が運転
に出てきたなどと、ミスを性格のせいにする。こういう人ってときどきいますね。人の良いところを見つけるには本人にそれなりの実力がいるが、ミスを見つけ
るだけなら誰でも出来る。
ミスを見つけて怒鳴るだけというのは、自分の小学校の時の担任にもそういう人がいたなあと思い出す。本人が気づいているミスをあえて怒鳴る必要があるの
だろうか。そういう教師に限って、できない子を立たせたり、遅くまで教室に残してやらせたり、懲罰的行為ばかりで勉強嫌いにする。本人が気づかない点をわ
かりやすく教えてほしい。
課題コースは、制動も問題なく特にミスはなかったが、発進の時に後ろから車が来ていたことを例の口調で注意された。 最後は控え室で、『どうする!今日
で終わりにしてほしいか?』といわれ、下を向いて『はい』。『今度からしっかり安全確認すると約束するか?』 とさらに問われ、『はい』。いい大人がばか
ばかしいと思いながら、小学校に戻った気分。こうして3段階は終了した。
-
- ●月□日(第四段階の1)S指導員
- いつもの通りの外周、パイロン、スラローム、波状路、橋をやった後、急制動の練習。第4段階では時速50キロで進入するようにと。直線 で強く吹かし50キロを確認して突っ込みフルブレーキ! 前輪がロックし右へ転倒!。肘、膝、腰を強くアスファルトでこする。着ていた上着はまた穴があ
き、そこから血がにじむ。教官は平然とした顔で、ニーグリップが弱いからその様に転倒するのだ、しっかりはさんでいれば直線だからたとえロックしても激し
い転倒は無いはずだと言う。転倒の恐怖から、二回目以降は40キロが出なくて何回かやり直し。
そのあと初めての練習。直線を時速40キロで走り、前方にいる教官が急に振る旗の色で急制動、右進路変更、左進路変更を即座に判断して行うというモノ。
正確にできない人がほとんどで、転倒も珍しくないとのこと。高速道路を走っていて前の車が急に止まったときに、ブレーキングをするか回避をするか、その一
瞬の判断で生死をわけるなどとの説明。この教官はおとなしいが説明が論理的であり、運転中に適切な判断がなされないと死につながることを実例を持って話
す。白バイ出身なのだろうか。
次はカーブでの急制動。時速40キロで走ってカーブにさしかかったところで急制動する練習。自分のバイクでは決してできない練習である。やってみると緊
張して40キロまで上げられない。午後6時からの一番込んでいる時間帯で、二人同時教習のため時間切れで一度しかできなかったのが残念。
- ●月▲日(第四段階の2)A指導員
- 今日は午後の一番の時間を選んだら、昼休みにS指導員が自身の練習していた。パイロンをジグザグに走るいつもの千鳥走行の練習だった が、タイ ヤが鳴る程の急発進と急停止を織りまぜてひらりひらりと普段の教習の1.5倍くらいのスピードで走っていた。後輪をロックさせたりしながら、後ろブレーキ
の加減 を確かめているようだった。指導員は半数は昼から出勤なのだそうだ。学校のパンフレットによると、鈴鹿のホンダのトレーニングコースで大型二輪用に鍛えた
指導員が3人いるらしい。今日は検定Aコースの練習。前半30分は型どおり外周、8の字パイロン、スラローム、波状路、一本橋、残りの20分で、コースを
2回走る。第四段階で初めて坂道発進が入るが、何の指導もない。が、難しくはない。クランクは、バンクさせずにハンドルを切って通ることが課題である。1速だとがくんがくんするし、2速だと半クラッチをうまく使わないとスピードが出すぎる。クランクの先は見通しの悪い優先道路に出る。教官はどちらでも良い
という。
- ●月▲日(第四段階の3)Y指導員
- 今日は検定Bコースの練習。Aコースとの違いはクランクとSの字の順番が逆なだけ。いつものように外周、8の字、千鳥走行、スラロー ム、波状路、一本橋。スラロームは、上手な人はあっと言う間に通過してしまう。自分は5秒後半がやっと。検定では7秒内なので問題ないのだろうが、I指導員などひらりひらりと走って、すぐに列の最後尾に追いついてしまう。右手アクセル、左手クラッチ、右足ブレーキ、左足シフトの協調運動の能力を問われる。
いわゆる運動神経の良い人がここで差が出るのであろう。
- ●月▲日(第四段階の4)S指導員
- 疲れた仕事のあとの講習。何となく手がだるい。さすがにもうスラロームや千鳥で引っかけることはなくなったが、波状路でエンスト2回。
これで今日の終了はない。一緒に練習したもう一人の人は見極め終了。確かに彼とは安定感が違うと我ながら思う。
今日のの指導員。最後によく現実の事故と結びつけて話をする。『普通の人は交差点右折時に前方から二輪車がやってきてもそれが時速50キロの原付か、時
速100キロを越えた大型二輪か分からないのだから、常に交差点の直進は注意しなければならない』。交通法規よりも現実のスピードでものを言うこの人、好
きだなあ。
この人の説明は、いつも理論がある。交差点の右折で、なぜセンターマークに沿って右折するか。そうすると横断歩道に直角に進入するので横断歩道を通る歩
行者や自転車が全視野の中に見え、急に横断する自転車などとの事故が少なくなるのだそうだ。(ちなみにセンターマークを踏んだら滑る野で減点。) こんな事も実際にいろいろなコースを走って、納得させられると
今度から自然にできるようになる。ただ怒鳴るだけの指導員と、なぜそうするかを体験させてわからせる指導員の差は大きい。指導員を選べるといいのだが。
(小中学校の先生も選べたら良かった。)
- ●月◎日(第四段階の延長その1)A指導員
- またまたエンドレスの延長地獄。いつになったら第四段階終わるやら。気が萎えてくる。後半の試験コースの実技で、一度もミスをしないこ
とが条件。今日はぼーっとしていてクランクのあとSの字に入るところをそのまま直進してしまった。安定感が無いとしてさらに延長へ。
- ■月▲日(第四段階の延長その2)S指導員
- 今日は波状路で1回失敗してさらに延長。第三段階のように、あまり限界に挑戦するなとの指導あり。
今日の最後の練習は面白かった。円形コースを利用して、同じ方向へぐるぐる回り続ける。指導員についてどんどんスピードを上げてゆく。車体の傾きはきつ くなる。指導員は雑誌でよく見るハングオンの姿勢。自分はちょっとしたふらつきで、コースがぶれてパイロンに接触。これが限界というところで、今度は反対 向きにぐるぐる回る。 膝の押さえが甘いと、高速カーブで膨らんでしまう。いかにニーグリップが大切かを実感させる練習。『いまのあなた達がツーリングの峠道でスピードを出すと、セ ンターラインオーバーして死亡事故を起こすでしょう』と最後の説明で言われた。この人の説明はいつも『死』を持ち出す。自動車学校の教習は低速系だけの最低限の技術だけなので、できればホンダのトレーニングコースなどで高速系の練習もするといいとのアドバイスがあった。こういう理論的な説明のほうが、教習 前の誓いの言葉の唱和よりもずっと心に残るものである。(後日記:この時、内側の腕を突っ張るようにしてバイクを倒し込
んで走行してました。腕が伸びきっているのでラインの微調整が効かずアクセルむらでコースが膨らんでしまいます。両手は常にニュートラル。進行側のハンド
ルは外側から持つようにして、軽いハングオンのポジションで視線を遠くに首を垂直にして回ると良いです)
- ■月○日(第四段階の延長その3)Y指導員
- 今日は特にミスもなく、全課題を通過、一本橋など14秒に挑戦しようと思わず、適当にやったのが良かった。実際の検定より難しい基準で
練習してきたのだから、普段通りやればいい。大きなバイクを操る感じが楽しめるようになってきた。そう、この、『操る』という言葉が、大型二輪と中型二輪
の違いである。中型の免許取得の時は『操る』と言うよりは、『乗る』という感じであった。
今日で終了という話になったが、教習簿を確認したら運転適性検査を受けていないことがわかる。そんな話は聞いていないと言うと入学時に説明したはずと。
検査を受けられるのが来週の木曜しかない。それまで10日も間隔があいてしまうと感覚が鈍ってしまうので今日で終了にせず、来週の金曜日に再度教習を受け
るようにして今日の終了はパス。また1週のびてしまう。
- ●月▲日(第四段階の延長その4)F指導員
- 昨日運転適性検査を受けて、今日こそ最後とはりきって来たら、例の怒鳴り散らすだけの指導員。後半検定コースを練習。具体的な注意はな いが、全体に安全確認が甘い罰として外側芝生の最小回りコースを連続8の字で、この指導員が良しと言うまで走りつづけるという課題を与えられた。一度でも失敗したら
今日の終了はないそうだ。これって、 『いじめ』に近いのではないかな。幸いミスなく数分続けられたので終了。
そのあと、「どうする!今日で終わりにしてほしいか?」といわれ、下を向いて『はい』。「今度からしっかり安全確認すると約束するか?」 とさらに問われ、
『はい』。これ第三段階の終了時と全く同じ。この指導員のパターンらしい。指導力のない人ほど他人の欠点の指摘に終始して、無理難題で服従させる。教習生
が指導員を選べる学校だったら職を失うだろう。なんとも後味の悪い最後だったがこれでこの4カ月の教習とお別れである。もっと練習して技術を高めたい気が
する。明日は卒業検定。
- ●月★日 卒業検定
- いよいよ卒業検定の日。検定は週3回午前中に行われる。仕事の都合で土曜日しか受験できない。 朝、いつもと同じ時間に起床し、朝食を取って、車で自動車学校へ行く。午前中に自動車学校に来たのは初めてである。いつもの指導員が教習バイクを洗車し
たり、点検したりしている。何となく普段に比べ他人行儀で、受験生に対して視線も合わせない。定刻になると、検定員と言われる50歳近い人がやってきて
コースの説明をする。この人は自動車学校の職員なのだろうか、それとも外部からやってくる人なのだろうか(誰か教えてください。気になっています)。指導員たちは敬語で話している。検定員からの説明は、今日のコースはAコースであること、そしてコースを間違えたらその場で停止して、手を挙げて指示を待つこと。コース間違いは減点の対象ではないが、たいていの人は動揺してそのあとの課題で失敗すると。検定では一本橋やスラロームの時間表示は無いこと。教習ほど厳しくない(一本橋のタイムなど)ので、余裕を持って失敗しないようにすること。であった。今日の大型二輪の受験生は5人。自分は3番目であった。
頭の中を真っ白にして、発進。胸がどきどきしているのがわかる。最初の黄信号点滅の交差点で、他に車両がいないのに一旦停止してしまった。やはり相当上がっている。坂道発進、クランクは無事。クランクの出口はいつものように他の車両がいるわけではないので、楽である。心配していた急制動もうまく行き、
波状路、一本橋も多少速めに通過。スラロームは2速で進入、多少ぎこちなくおそらく6.5秒くらいかかっているだろう。 全員終え、10分後に検定員が控え室にやってきた。全員合格。皆の顔に安堵の笑みがひろがる。
講評があった。 バイクで最も重要なのは視線と頭の位置である。今日の受験生の中で一人だけ、カーブの時に車体より先に頭を内側へ傾ける人がいたが、低速でも高速でも頭は
地面に対して常に垂直でなければならない、バイク雑誌のハングオンの写真でもそうでしょうと。自分のことだろうか。急制動は全員後輪にも十分ブレーキが利いていて良かった。県の試験場でも全員合格するで
しょう。という内容であった。他にも技術的な話題が中心で、安全確認の話は無かった。
申し込んでから3ヶ月半。25回。総費用約20万であった。
-
- その後、校長室で合格証の授与。ヘルメットを持たず、姿勢を正して列をなして入室。講話でもあるかと思えば、校長らしき人からおめでとう
の言葉だけだった。この人も警察の天下りなのかしらん。
- 運転免許試験場
- 自動車学校でもらった受験票に証紙を張ってもらい、窓口へ。さすが警察だけあって、係の人は無愛想で事務的で高圧的。どこの窓口でも
「次○番に行って!」と言うだけ。語尾に「〜下さい」をつけるだけでだいぶ感じが違うだろうと思う。受験料は払うが試験は免除と言うことで、1時に手続き
をしたのに2時半まで待たされる。 待ち時間に大型2輪の実地試験を見に行った。
特に感じるのはスラロームのスピードの無さと波状路のスピードの出すぎ。一本橋は初めのスピードが速すぎる。橋に乗ったらすぐに後ろブレーキで減速しな
いとあっと言う間に半ばまで行ってしまう。見ていた10人のうち8-9人はまず合格するはずなかろう、などと、少し前まで自分も出来なかったことを棚に上げて評論家の
ように見てしまう。
3時に免許証交付。数百人を並ばせて手渡しするので、実際に手にしたのは30分後。免許証に「大自二」と印刷されていた。たったこれだけの文字を追加す
るための労力、時間。感慨深いものがある。
丁度その時、同じ階の別の場所で午後の大型二輪実地試験の合格発表があった。電光掲示板の表示を待っていると、「本日の合格者はありません」。結構上手に乗
りこなしていた人もいたのにゼロ。やはり自動車学校に入って良かった。 何が良かったかと聞かれたら、自分の運転の未熟さとバイク操作の奥深さを体で覚えたこと、そして何よりバイクを自在に操る楽しさを覚えたことだと答えて
いる。大型二輪の教習後、今の中型が体の一部のように操作でき、狭い道でも苦なくUターン出来るようになってきた。
後日談。第4段階の急な進路変更、カーブでの急ブレーキ、連続ぐる
ぐる小回りなどの練習は、大型二輪の指導要綱にあるらしく、ほとんどの自動車学校で行われているそうです。学校によってはこの他に砂地走行、でこぼこ道で
の走行も取り入れているところもあるそうです。
もし400で大型二輪の練習をするとしたら、クラッチワークでしょう。中型ではトルクがないのであまり半クラッチを使う必要があり ませんが、大型は有り
余るパワーを半クラッチで微妙にコントロールすることが必要です。千鳥走行もトルクがあるから思いきりバンクさせても起きあがることができるし、スラロー
ムも波状路も一本橋も結局はトルクをいかにコントロールするかです。大型に匹敵する低速トルクを出すようにアイドリング回転数を倍近くまで上げておいて、
無人の駐車場でスラローム、小回り、一本橋をすると練習になります。駐車場で車2台分の幅の中で8の字、小回りをバンクをつけて行う方法と低速直立でハン
ドル角だけで行う方法でできればいいと思います。また自転車で8の字スラロームをやるのも練習になります。思い切り半径を小さくすると、ペダルワークのトルクで車体を起こさないと回れません。ぜひやってみてください。
8の字の練習は下記が参考になります。
http://ku-www.ss.titech.ac.jp/~chiron/motorcycle/8-j.html
(相当高度なジムカーナ練習用です。8の字練習も奥深いものです。)
中速で8の字をしながら、目線の位置をいろいろ大きく変えてみるのも練習になります。目線を近くに置くと、ラインが外れることがわかります。
教習所の限られたコースだけで言われたことを繰り返すだけの練習でははなく、広いところで一人で教習車を使って自由に自分で考えながら練習する時間が
あったら、もっと効果的だろうと思います。
なるべく一対一教習になるように、時間を選んだ方が効率的です。また、夕方の一番混んでいる時間帯は避けた方がいいです。特に四輪
と混ざって走る学校で
は、練習の内容が半減します。
皆さんからいただいたメールを参考にすると、私が通った自動車学校の教習は特に厳しかったようです。コース走行は5分の1も無く、ひたすらひたすらパイロンでの
様々な千鳥走行とスラロームが多かったです。8時間オーバーはざらでした。規定の12時間でほぼ全員終了させて、出来ない人は検定で落とすと言う学校もあ
るそうです。今は厳しいところで良かったと思っています。
スキーの練習方法に二種類あります。一つは競技系の練習方法で、ポールを立ててとにかくスピードを競います。スピードを追求するに は結局は正しい姿勢と
正確なエッジングが必要で、ポール練習を繰り返すことで正しいテクニックが身に付きます。もう一つは講習会の練習方法で、一つ一つの理論を説明し、なぜ正確
なエッジングが必要か、なぜ正しい姿勢が必要かを理解させてから、山周り、谷周り、前傾、外向など一つ一つの動作を確実ににして、それを総合して正しい滑
りが出来るようにします。
前者は運動能力の高い体育会系の若い人に効果的です。後者は運動能力に差がある初心者にある程度まで出来るようにするのに効果的ですが、教える側に知識が必要で
す。一旦理屈がわかると、あとは自分でテクニックを磨くことが出来ます。 私が通った自動車学校の教習はどちらかというと前者でした。教習の前に5分でも運転理論や教習
の目標などの講義があればより効果的だったと思います。
例えば、スラロームでなぜ6秒以内という目標があるのか。これは中型二輪のようなハンドル操作だけで通り抜けるスラロームではいくら練習しても6秒なん
て無理なのです。アクセルとブレーキとクラッチワークでトルクを最大に利用してウィンウィンと倒す起こすを繰り返さないとできないのです。後になってわか
るのですが、初めはただ速く速くといわれても、速くすれば弧が大きくなってパイロンを倒すし、ゆっくり走ると時間オーバー。できなくても予め理論を教えて
もらえれば練習の意味も分かるというものです。運動音痴の言うことかもしれませんが。
「テクニックが命を守る」と何回も言われました。
大型二輪のためのテクニックというのは本当は無いのです。正しい二輪の乗り方、テクニックがあるだけです。ただ、中型ではテクニッ
クが無くてもごまかせ
るのです。だから中型でも正しいテクニックで乗っている人は、大型免許を取ることは決して大変ではありません。小型ででもモトクロスをやっている人は基本
ができているので、大型も簡単に取れるのだそうです。
自動車学校では低速系の練習しかできないので、メーカー主催のライディング教室で高速系の練習をすることを強く勧められました。高速でののテクニックが
書いてあるホームページどなたかご存じありませんか。
二輪の講習に望むのは、『なぜ』そうするのかを説明して欲しいということ。スタンドを立てて駐車するときは、ハンドルを左に切って
止めると教わりました
が、何故ハンドルを左に切るのか、、、ハンドルを右に切って止めた状態で後ろからバイクをちょっと押すとわかります、、、簡単にサイドスタンドがはずれて
転倒してしまいます。もちろん駐車中は一速に入れてエンジンを切るのが常識です(これで失敗しました)。
この体験記を執筆中、多くの方々から励ましのお言葉や、技術的なアドバイスをいただきました。この場で御礼申し上げます。還暦で大
型二輪に挑戦されてい
る方も知りました。身長150cmでトライされた方もいらっしゃいました。
ついに大型バイクを買いました。カワサキのZRX1100です。バイク屋さんからトラブル無く乗って帰れるだろうかと心配しました
が、乗ってみると
400とあまり違和感が無いので驚きました。免許を取って以来、自動車学校でやったような練習を400で時々やっていたこともあり、1100でも乗ってす
ぐに小回りができました。むしろ大型の方がトルクがあるので楽です。
大型バイクを買ったら。-- 必ず駐車するときはギアを一速に入れてからエンジンを切って下さい。中型でニュートラルにしてサイド スタンドで停車する癖のある人は要注意です。重量があるからちょっとした傾斜で車体が動き出してサイドスタンドがはずれて転倒します。それで2回コケてし
まいました。修理に1コケ7万円かかりました。
★緊急報告★ 転倒事故を起こしました。
200○年9月某日、転倒事故を起こし、鎖骨骨折、肋骨骨折、気胸などで入院、手術を受けることになりました。
その日は雲一つ無い快晴の休日、昼前に突然思い立って軽装で近くの高原の峠道に一人で出かけました。久しぶりに乗るバイクはとても快適でしたが、連休最
終日の峠道は所々渋滞していて少し走ると乗用車の列にすぐに追いついてしまいます。長い下り坂の直線道路を走ってゆくと先は緩い右カーブでその先に交差点、速度を落とした車が数台先を走っていました。車列の最後尾に達して減速したとたん、その最後尾車が急ブレーキ!あわてて急ブレーキをかけたときには、下り坂
のアスファルト路面は前輪を受け止められずロックして転倒してしまいました。 ほんの一瞬の出来事です。時速は40キロは出ていたでしょう。ヘルメットが地面にたたきつけられると同時に右肩から地面にたたきつけられ、あとはアスファルトの上をぼろ布のように引きずられました 、、、、、、、。
突然の静寂、何も見えない音がしない白い世界の時間がしばらく続いたあと、ゆっくりと周りの音が聞こえはじめました。「ああ、意識はある」と思いながらも体は動かず、右足は車体の下に挟まれたままでした。うずくまっている
と、前の車の運転手が降りてきて、「ばかやろー、オレが悪いみたいじゃないか」、と言って去ってしまいました。観光地なので後続の車がすぐに渋滞し、その
中から一人出てきて、「あんな運転してたらいかん」とか言って、重いバイクを路肩に寄せて立ててくれました。このバイクを一人で立てられるのだからこの人
もきっとバイク乗りだろう。右肩が痛くて手が動かない。でも足は立つので自分でよろよろと路肩にたどりつき、そこでしゃがみ込むともうだれもいない。転倒
のショックで頭は真っ白、、。綿のパンツは前も後ろも穴だらけ、膝から血がにじむ。右手が痛くてほとんど動かない。そっと左手で右肩に触れると、肩の輪郭が変な
形になっている。左手の親指も動かない。何もしないでぼーっとしているうちに30分経った。さてどうしようかと考える。病院で治療が必要な状態であること
は間違いない。バイクもどうするか。単独事故なので警察に届けるかどうか。救急車を呼んだとしてどうなるだろう。幸い携帯は無事で山中だけれど通話可能。
これは心強い。救急車で県外の知らない病院に運ばれたら、後の手続きがやっかいだろう。もし入院にでもなればもっと煩わしい。なんとか自分の勤務先の病院
か自宅に近い病院にたどり着けないだろうか。すこしからだをひねるだけで右の肋骨に激痛が走るが、幸い足はしっかりしている。頭の中で、何とか山を下りて
電車で地元にたどり着きそこの病院の救急外来を受診するというシナリオを作る。バイクを買ったレッドバロングループで救援サービスをやっていることを思い
出し、動く指で車検証を取り出してみると幸い救援サービスの小冊子が入っていた。最寄りのお店でも100キロ以上先、まずは相談と思いケータイで連絡する。電話に出た
お店の人に事情を話すと、最初に自分の体のことを心配してくださる、うれしい。到着まで2時間はかかるが引き上げに来てくれるとのこと、自分も近くの駅ま
で送ってくれるそうで、まずはひと安心。
ぼろぼろの衣服で傷ついたバイクの横に立ちじっと痛みに耐える。座るより立っているほうが胸の痛みが少ない。幹線道路なのでツーリングのバイク集団や行楽の乗用車は
ひっきりなしに通るけれど、誰も声をかけてくれない。都会の無関心というやつだろう。田舎の山の中の細道だったらツーリングのバイクがきっと止まってくれる。空腹を感じて近くの売店で五平餅を注文した時のお店の人の驚いた顔。血がにじむぼろぼろの服。哀れんでお茶を出してくれた。2時間半待ってレッドバロンのマークのトラックが到着。男の人がバイクを荷台に乗せてくれたあと、手伝ってもらい助手席に乗る。1時間半トラックの助手席で痛みに耐えながら揺られてJRの駅で降ろしてもらい、そこから特急列車とタクシーで勤務先の病院にたどり着く。転倒してから6時間経っていた。
、、、、、、、、、、、、、、
- その後、レントゲンで右鎖骨骨折、右肋骨骨折、右気胸と診断され入院して手術を受けることになりました。よく歩いて帰ってきたものだと 我ながら思います。なるほど駅の階段を上るのが本当に苦しかった。初めての走行中の転倒でした。まさかだれも事故を起こすとは思わないような見通しの良い下り坂の直線道路です。大型バイクのトルクは中型の3倍もありますが、ブレーキの効きが3倍良いわけではありません。下り坂では前ブレーキが強すぎたようです。加速が良いのであっという間に前の車列に
追いついた時に近づきすぎたようです。いずれにしても自分のミスです。骨折は半年くらいで完全に元に治るそうですが、バイクは再走行可能でしょうか。加齢
に従い危機回避の反応が遅くなるそうです。20代だったら止まれたかもしれません。まさに教習の最終段階での危機回避の練習そのものです。
-
頭から地面にたたきつけられたにもかかわらず、ヘルメットのおかげで頭部は無傷でした。たたきつけられた瞬間、ヘルメットが音を立てているのに、「あ、不思議なことに頭は痛くない」と
思ったことを覚えています。皮製のスニーカーが引きずられた時に穴があいて靴下まで穴があいていました。もしくるぶしが地面と擦れたらと思うと恐ろしくなります。
万一を考えると装備は大切です。
- もう若くないのだから、加速やコーナリング性能よりも存在感を楽しむようなバイク、たとえばハーレーのようなバイクにした方が良いと
言ってくれた同僚もいました。もうバイクはやめて車にしてはと、外国車の雑誌をお見舞いに持ってきてくれた人もいました。
人生、いろいろなことがあります。痛い痛い出来事でした。皆様のご参考になれば、、 (手術後2日目、病院のベッド上で)
- 役に立つリンク
- 「大二自」虎の巻 バイクに関する情報源
セーフティライディング 安全運転全国大会
優勝者の小笠原さんのHP
アット免許センター
お問い合わせ、ご意見は作者まで
LAST MODIFIED 11.5. 2009
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